2011-02-01から1ヶ月間の記事一覧
97 オレはいい加減な男である。と同時にいい加減な父であり、いい加減な夫であった。日がな一日、何もせず寝そべる生活が続き、その末にうつ状態に陥ったのである。すでに食欲も性欲もなく、気力や行動力もなく、24時間という流れをボーッと過ごした。 98 …
93 娘の運動会の季節がやってきた。娘の小学時代の最後の運動会で、記念のリレー競争と組体操がある。オレは少し悩み、でも、笑顔で参加することが義務だと思った。この先が見えないオレにとって、心から楽しめるかどうか……。 94 運動会の当日、オレは娘と…
89 自民党がつくり上げたこの国を修正するにはもう遅すぎるかもしれない。でも、民主党路線に頼る一方で、生きていくためのマネーを確保しなければならぬ。だが、民主党のベーシック・インカムの最低保障年金には立憲国家の基本的人権を感じた。 90 ところ…
85 突然のリストラから1年が過ぎようとしていた。これまで50社以上に応募したものの、面接はたった2社で、その結果も不採用であった。この時代の再就職の現実を思い知らされたけれど、オレはその社会システムに別の意味でいら立った。 86 そもそも就職とか…
81 ハローワークに行って職探しをしたところで、窓口の職員は相変わらずの他人事である。というよりも、まったく事務的な対応だった。オレが求人案内を検索して、その求人票を持っていった係りの年輩職員がニヤニヤ笑いながら処理する。 82 その職員が求人…
77 それにしても、この世の景気の動向とは不可思議なものである。アッという間にマネーを中心とした市場経済原理が世界を駆け巡り、その結果、投機的なマネーが焦げたことによる破綻であった。日本がアメリカの番犬といわれても仕方ない。 78 経済のことを…
73 この先が見えない中で、オレは家族幻想を維持する方法しかわからなかった。毎日、オレは家族のために料理をつくった。その料理も、あり合わせの食材を使ったもので、味付けや火の通し具合、盛り付けを工夫した。でも、妻と娘は黙々と食べている。 74 そ…
69 夏休みが来る前に家族旅行のことで妻から釘を刺された。でも、オレの次の働き口が決まっていないのだから、その実、家族旅行どころではない。そうしたら、妻が「アレを使えば……」と、そうか、この春に自民党が打ち出した定額給付金である。 70 家族3人の…
65 娘の夏休みの前に連絡があった。それはこれまで応募した数ある中の会社の一つで、直接、オレのケータイにその面接の通知が来たのである。あまり期待するほどの会社ではなかったが、今、まさに自分にできることはその面接に応じることだった。 66 その会…
61 今年も夏が到来した。失職中のオレにできることといえば、家族の朝昼晩の飯をつくることぐらいである。もうすぐ娘の小学時代の最後の夏休みもやってくる。そして妻は「夏休みのこと、よろしくね……」といってパート仕事へ行く。 62 その妻のパートで携帯…
57 労働に対する人間社会のありかについてもいろいろ考えてみた。権力者が民衆の労働を管理することも今に始まったことではない。すでに太古のころから、人間の脳の操作で行ってきた。だが、現代人は余りにもマネー主義の労働に陥っている。 58 失職してか…
53 地元の工業団地にコンビニストアの弁当をつくる会社があった。ここではパート従業員を常時募集していて、昼の部と夜の部があり、夜の時間帯のほうがやや時給が高いという事情である。そこでオレは否応なく決め、夜のパートに応募した。 54 決められた面…
49 2009年の夏がやってきた。不当解雇による失職から半年以上が経ち、オレのこの先に何の保障もない。昨年の収入に応じた市県民税とか健康保険税とか、それから国民年金などの催促の通知がやってくるだけである。この国は税という名の取り立て屋なのか。 50…
45 案の定、面接の結果は不採用である。50過ぎの失業者にとって、畢竟、今や社会的なゴミ以外に何も意味するところがない。オレは仕方なく、ハローワークの職員に相談してみたら、基礎訓練制度を紹介された。今さら、基礎訓練になるのか。 46 その基礎訓練…
41 ようやくのところで面接の通知が届いた。職探しから半年が過ぎ、かれこれ50社ほど出した結果がこれである。小さな会社だった。これだって当然、1人採用に相当の人数が応募しているに違いない。でも、オレは今のところ、その面接に行くしかない。 42 その…
37 オレはまだ生きている、と思うしかない日々を続けていた。梅雨時の日夜が続き、うっとうしい中で、外に出る気もなく、オレは悶々と部屋の片隅で時間を消化した。仕事から帰ってきた妻に「どうなったの……」と釘を刺されてしまった。 38 こうした日夜の過…
33 この年の初夏である。オレは妻の許可を得て秩父の山へ行った。「いいわよ、アンタがそうしたいなら……」と妻がいった。まだ家族幻想が残っていることを踏まえ、秩父のある所を目指したのである。そこはオレだけの秘密の場所だった。 34 ここへ来ると、な…
29 どん底のその底辺で考えることといえば、今の国政に頼ることなく、今そこにある制度を利用することであった。でも、地元の生活保護には頼りたくなかった。それはやはり、娘が小6から中学へ進学する時期において無念そのものだからである。 30 オレは最寄…
25 それにしても、職を失くした人間の立場というものをどう説明すればいいのか、多分、社会的には無職というレッテルになるのか。その無職のオレはまだ生きようとしている。いや、オレではなく、オレの仮面を被った何者かが生きているのだ。 26 生きていく…
21 そこでまず、オレは厚生労働省の制度を調べてみた。失業者に対する支援といえば、主に失業給付や再就職支援のセミナーぐらいであったけれど、ハローワークの真面目そうな職員から職業訓練の支援制度を案内された。ちょっと驚いた。 22 さっそく申請して…