2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧
9 まず光があって、その光のモノトーンに色が着いて、そこで初めて気づく鮮やかさがある。これは視覚的な印象であるけれど、眼を閉じたまま木洩れ日の下に佇むと、かえって光の原風景が見えてくる。それは太古の昔から生き物が感じとってきた生死の分かれ目…
8 巷間では「金環日食」というけれど、これはソーラー(陽)とルナ(月)が宇宙的な周期で重なり、それが地球人にそう見えるだけの話で、むしろ月の楕円的な軌道に眼を向けるべきである。そこに地球人の眠りのリズムの誤差があり、不眠症があり、目覚めがあ…
7 外に出ることをできるだけ控えているのだが、外界の光を浴びなければならぬ用事がある。そのときだった、外出した途端、光が闇に変わり、自分の影法師すらなくなっていた。それが面白く、また新鮮であって、外の荒風の流れに乗って遠くへ行きたい気分にな…
6 今、自然のゆらぎが眼に飛び込んでくる。それは風の流れであって、露の滴りであって、草の匂いであって、それから自分の呼吸のリズムでもあった。すべての余韻がつながり、そこにある視覚的な世界に魅了するところで結構な納得がある。多分、涅槃の一瞬だ…
5 この時期は突然雨が降ってくる。それも近年のスコールのような豪雨であって、その雨粒が妙に眼に残る。そのとき、雨粒の中の鈍色の照り返しにもう一つの世界が見えてくるのだった。ひょっとすると、これは例のモナドであって、三千大世界の奥行きかもしれ…
4 今も築30年以上が過ぎて古びた部屋で暮らしている。そのため、室内の建付けや仕上げやらが傷み続け、これらの壊れ方がまた風雅である。そもそも人体だって生まれてこのかた、古びる一方で、その取り繕いに生きがいを見出している。この姿も“あっぱれ”であ…